2013年06月14日
FETスイッチ、ニ、シヨウスル、FETのセンテイホウ
少しでも電動ガン電気系統の部品の知識に役に立てばと思い、UPしてみます。
専門用語の説明の足りなさや、みなさまが、具体的に何処が不明点で、どこがどういう風にわからないというのが、なかなか、察しが着かないので独りよがりとなってしまうかもしれませんがご容赦下さい。
■FETとはなにか?■
FETとは、フィールド・エフェクト・トランジスタの略称で、日本語では「電界効果トランジスタ」といいます。
いわゆる、トランジスタです。
そもそもトランジスタは信号を増幅する作用と、信号を電気的にON/OFFする事が出来る半導体素子です。
ここで、FETには、ゲート(Gと略します)、ドレイン(Dと略します)、ソース(Sと略します)の3つの電極端子があり、普段は、ドレインとソースは絶縁状態(導通していない状態。スイッチで言うOFFの状態)なのですがそれを、ゲート-ソース間に一定以上の電圧を加えることで、導通させる事が出来ます。
この事を利用し、FETのドレイン-ソース間をゲート-ソース間に電圧を、加える/加えない、事で、スイッチの様に、導通、絶縁(非導通)、させて使用しようという事です。

■電動ガンFETスイッチに使用するFET素子の選定方法■
①ON抵抗の低い素子を選ぶ。
FETをスイッチング動作にて、ドレイン-ソース間をONさせた場合、理想はスイッチON時の抵抗が0[Ω]になるが望ましいのですが、実際は、0[Ω]にはなりません。
(※話が少しそれますが、当然、配線等に使用している線材も銅線も抵抗値が0[Ω]のものは、御察しの通り、世のなかに存在せず、少なからず抵抗値を持っています。)
素子により異なりますが、特性の良いパワーMOSFETでも数m[Ω]の抵抗値となります。
※ここでいう m はミリという単位で、1000分の1の事を指します。
例1.)
下記の場合は2.6mΩです。実際には最大値(最悪値:MAX)である3.0m[Ω]を視野にいれて使用するという事になります。
尚、他に3.3m[Ω]、4.0m[Ω]とありますがこれは②にて解説します。

②ON抵抗のスペックが、ゲート-ソース間電圧が何[V]で規定されているか確認する
FETのON抵抗は、ゲート-ソース間に印加する電圧により変化します。具体的には、印加する電圧が印加可能な範囲で高ければ高いほど、ON抵抗は少なくなります。
FETを選定する際、多くの場合この値を確認せずに上記①のON抵抗のみ着目してしまいますが、いくらON抵抗が低くとも、ゲート-ソース間にかける電圧が、例えば10V、などの電動ガンで使用するバッテリー(リポ、ニッケル水素など)電圧を上回っている場合、実際のON抵抗は記載されている値より高くなります。その場合、FETが発熱する原因となります。
発熱の原因の要素を説明しますと、発熱の指標となる、ワット(Wと略します)は抵抗値(と電流値)に正比例して大きくなる為、単純にFETのON抵抗が2倍になれば発熱量も2倍になるという事です。
例2.)
ゲート-ソース間電圧(VGS)=4.5Vです。コレは最低でもゲートソース間に4.5Vの電圧が掛かっていれば、ON抵抗は平均値(Typ):3.3mΩ、最悪値(MAX):4.0mΩという事になります。

③電動ガンの動作時の最大電流を予測する
これは単純に、使用されているヒューズの電流値を目安にするのが一番わかりやすいかと思います。例えば私が使用してる次世代M4A1ですと、たしか20[A]なので、20[A]となります。
※余談ですが、ヒューズには、即断型・遅延型等のJISで規定された種類がありますが、どの種類のヒューズも規定されている電流が流れた場合、直ぐに切断しません。具体的には20Aヒューズに20Aの電流を流しても何秒、何十秒、ないし、ものにもよりますが数分は溶解せずに電流を流すことが出来ます。
④FETに印加される最大電力を計算する
上記の、①、②、③より、FETに印加される最大電力を計算します。
②でも少し触れましたが、オームの法則より、電力は、次の式で決定されます。
電流[A] × 電流[A] × 抵抗[Ω] = 電力[W]
具体的には、 ③の電流値[A] × ③の電流値 [A] × ①、②より読み取ったON抵抗[Ω]
を計算します。
上記の式より、電流値は決定していますので、単純に、FETのON抵抗が2倍になれば、電力=発熱量も2倍となる訳です。
例)
20[A] × 20[A] × 4.0m[Ω] = 1.6[W]
⑤FETのジャンクション温度を計算する。
上記③で計算した電力を基に、FETがどれだけ周囲温度より熱くなるか?発熱する温度を計算します。
具体的には、(上記③で計算した電力[W]×FETの熱抵抗[℃/W])+使用する周囲温度[℃] となります。
電動ガンは夏でも使用すると思いますので、周囲温度は、電動ガンの使用温度上限の40℃(実際に日本では40℃までいかないでしょうが、余裕を見て計算します。)で実際には計算します。
※尚、ジャンクション温度とはFETデバイスの表面温度ではなく、あくまでFET内部のコアの部分の温度を差すので、ジャンクション温度を計算して仮に100℃となったとしても、FETデバイスのパッケージ自身が100℃まで発熱するわけではありませんのでご注意を。(といわれても狐につままれたような感じを受けるやもしれませんが。。。)
例)
(1.6[W] × 62[℃/W]) + 40[℃] = 139.2[℃]

⑥ジャンクション温度の余裕度を見る。
上記④で算出した温度と使用するFETの最高ジャンクション温度を比較します。
尚、ジャンクション温度とは、簡単に言えばFET本体の使用温度限度範囲です。ですので当然、上記④の温度がジャンクション温度を超えていた場合はFETは破損する、という事になります。
例)
TJ=-55~175[℃]

ですので、上記④の139.2[℃]はTJの範囲内ですので問題なく使用できます。
※ここで、注意点としては、上記④で計算したジャンクション温度の熱抵抗は、あくまでFETのメーカーが規定に従って測定した値で、その条件より厳しい条件化、具体的には筐体内に収められていて放熱がままならない、、、等の要素を踏まえると場合によりジャンクション温度がTJ上限の175℃を上回る事も視野に入れなければならない。という事があげられます。それと、TO-220パッケージをヒートシンク(放熱板)なしに使用できる条件は、これは一般論ですが、2[W]までなので、余裕をみて1[W]以内収めるのが望ましいです。

以上、かなり駈足になりましたが、ご理解いただけたでしょうか?
と、いいましても、専門用語の説明を含め、まだまだ難しい部分もあると感じると思います。ので、随時、リクエストがあれば詳細な説明を展開できればと思います。
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◆ご一読ありがとうございましたm(U_U)m
専門用語の説明の足りなさや、みなさまが、具体的に何処が不明点で、どこがどういう風にわからないというのが、なかなか、察しが着かないので独りよがりとなってしまうかもしれませんがご容赦下さい。
■FETとはなにか?■
FETとは、フィールド・エフェクト・トランジスタの略称で、日本語では「電界効果トランジスタ」といいます。
いわゆる、トランジスタです。
そもそもトランジスタは信号を増幅する作用と、信号を電気的にON/OFFする事が出来る半導体素子です。
ここで、FETには、ゲート(Gと略します)、ドレイン(Dと略します)、ソース(Sと略します)の3つの電極端子があり、普段は、ドレインとソースは絶縁状態(導通していない状態。スイッチで言うOFFの状態)なのですがそれを、ゲート-ソース間に一定以上の電圧を加えることで、導通させる事が出来ます。
この事を利用し、FETのドレイン-ソース間をゲート-ソース間に電圧を、加える/加えない、事で、スイッチの様に、導通、絶縁(非導通)、させて使用しようという事です。

■電動ガンFETスイッチに使用するFET素子の選定方法■
①ON抵抗の低い素子を選ぶ。
FETをスイッチング動作にて、ドレイン-ソース間をONさせた場合、理想はスイッチON時の抵抗が0[Ω]になるが望ましいのですが、実際は、0[Ω]にはなりません。
(※話が少しそれますが、当然、配線等に使用している線材も銅線も抵抗値が0[Ω]のものは、御察しの通り、世のなかに存在せず、少なからず抵抗値を持っています。)
素子により異なりますが、特性の良いパワーMOSFETでも数m[Ω]の抵抗値となります。
※ここでいう m はミリという単位で、1000分の1の事を指します。
例1.)
下記の場合は2.6mΩです。実際には最大値(最悪値:MAX)である3.0m[Ω]を視野にいれて使用するという事になります。
尚、他に3.3m[Ω]、4.0m[Ω]とありますがこれは②にて解説します。

②ON抵抗のスペックが、ゲート-ソース間電圧が何[V]で規定されているか確認する
FETのON抵抗は、ゲート-ソース間に印加する電圧により変化します。具体的には、印加する電圧が印加可能な範囲で高ければ高いほど、ON抵抗は少なくなります。
FETを選定する際、多くの場合この値を確認せずに上記①のON抵抗のみ着目してしまいますが、いくらON抵抗が低くとも、ゲート-ソース間にかける電圧が、例えば10V、などの電動ガンで使用するバッテリー(リポ、ニッケル水素など)電圧を上回っている場合、実際のON抵抗は記載されている値より高くなります。その場合、FETが発熱する原因となります。
発熱の原因の要素を説明しますと、発熱の指標となる、ワット(Wと略します)は抵抗値(と電流値)に正比例して大きくなる為、単純にFETのON抵抗が2倍になれば発熱量も2倍になるという事です。
例2.)
ゲート-ソース間電圧(VGS)=4.5Vです。コレは最低でもゲートソース間に4.5Vの電圧が掛かっていれば、ON抵抗は平均値(Typ):3.3mΩ、最悪値(MAX):4.0mΩという事になります。

③電動ガンの動作時の最大電流を予測する
これは単純に、使用されているヒューズの電流値を目安にするのが一番わかりやすいかと思います。例えば私が使用してる次世代M4A1ですと、たしか20[A]なので、20[A]となります。
※余談ですが、ヒューズには、即断型・遅延型等のJISで規定された種類がありますが、どの種類のヒューズも規定されている電流が流れた場合、直ぐに切断しません。具体的には20Aヒューズに20Aの電流を流しても何秒、何十秒、ないし、ものにもよりますが数分は溶解せずに電流を流すことが出来ます。
④FETに印加される最大電力を計算する
上記の、①、②、③より、FETに印加される最大電力を計算します。
②でも少し触れましたが、オームの法則より、電力は、次の式で決定されます。
電流[A] × 電流[A] × 抵抗[Ω] = 電力[W]
具体的には、 ③の電流値[A] × ③の電流値 [A] × ①、②より読み取ったON抵抗[Ω]
を計算します。
上記の式より、電流値は決定していますので、単純に、FETのON抵抗が2倍になれば、電力=発熱量も2倍となる訳です。
例)
20[A] × 20[A] × 4.0m[Ω] = 1.6[W]
⑤FETのジャンクション温度を計算する。
上記③で計算した電力を基に、FETがどれだけ周囲温度より熱くなるか?発熱する温度を計算します。
具体的には、(上記③で計算した電力[W]×FETの熱抵抗[℃/W])+使用する周囲温度[℃] となります。
電動ガンは夏でも使用すると思いますので、周囲温度は、電動ガンの使用温度上限の40℃(実際に日本では40℃までいかないでしょうが、余裕を見て計算します。)で実際には計算します。
※尚、ジャンクション温度とはFETデバイスの表面温度ではなく、あくまでFET内部のコアの部分の温度を差すので、ジャンクション温度を計算して仮に100℃となったとしても、FETデバイスのパッケージ自身が100℃まで発熱するわけではありませんのでご注意を。(といわれても狐につままれたような感じを受けるやもしれませんが。。。)
例)
(1.6[W] × 62[℃/W]) + 40[℃] = 139.2[℃]

⑥ジャンクション温度の余裕度を見る。
上記④で算出した温度と使用するFETの最高ジャンクション温度を比較します。
尚、ジャンクション温度とは、簡単に言えばFET本体の使用温度限度範囲です。ですので当然、上記④の温度がジャンクション温度を超えていた場合はFETは破損する、という事になります。
例)
TJ=-55~175[℃]

ですので、上記④の139.2[℃]はTJの範囲内ですので問題なく使用できます。
※ここで、注意点としては、上記④で計算したジャンクション温度の熱抵抗は、あくまでFETのメーカーが規定に従って測定した値で、その条件より厳しい条件化、具体的には筐体内に収められていて放熱がままならない、、、等の要素を踏まえると場合によりジャンクション温度がTJ上限の175℃を上回る事も視野に入れなければならない。という事があげられます。それと、TO-220パッケージをヒートシンク(放熱板)なしに使用できる条件は、これは一般論ですが、2[W]までなので、余裕をみて1[W]以内収めるのが望ましいです。

以上、かなり駈足になりましたが、ご理解いただけたでしょうか?
と、いいましても、専門用語の説明を含め、まだまだ難しい部分もあると感じると思います。ので、随時、リクエストがあれば詳細な説明を展開できればと思います。
◆◆◆『てめえのマテバに期待してねーよ。』Byバトー
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◆ご一読ありがとうございましたm(U_U)m
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